Column

① 国語(論説文)ができるようになるには

「国語ができない」「点数にムラがあって安定しない」という悩みを持つ生徒は多くいます。
いわゆる理系の人はもちろん、文系の人でも「なまじ感覚で解けるだけに、結局どう解くのかがよくわからない」という人は少なくありません。加えて、国語は日常会話の言語と同じであるがゆえに、ちょっと「ナメて」かかり、特に対策をしないまま受験直前期に突入して痛い目を見る、という悲劇も生まれがちです。

国語ができるようになるために大事なことは、4つあります。

それは、

 

1、語彙力を高めること

2、リテラシーを高めること

3、演習量をこなすこと

4、解き方を知ること

 

です。基礎と反復はもちろんどの教科でも大切なことですが、とりわけ実力を上げるのに時間がかかる国語においては、早い段階からこれらのことに留意してじっくり時間をかけて対策していくことが肝要です。
それぞれについて説明していきましょう。

 

 

まず、語彙力を高めること。
これは英語と一緒で、基本中の基本です。同時に、日本語を母語とする人にとってはこれが盲点でもあり、特別な対策をしていない生徒が多いのも実情です。「雰囲気でいけるやろ」と思っている生徒のみなさんは、「特殊と普遍」、「絶対と相対」あるいは「恣意」「形而上」「敷衍」「パラダイム」などの言葉についてすんなり意味が浮かびますか? これらはいずれも論説文の中でよく目にする頻出単語です。こうした言葉が分からなければ、読み進めていてもちんぷんかんぷんで結局「ちょっと何言ってるかわかんない」という事態に陥ってしまいます。こうした語彙を少しずつ理解し覚えていくことが、国語の学習の上で基礎となります。そして、その語彙力は受験の先にある大学での学問でも必ず役立つものとなるでしょう。

 


次に、リテラシーを高めること。
元来リテラシーとは読み書き能力のことで、近年は「情報リテラシー」のように「情報を正しく取捨選択し有効に活用する力」というような文脈でも使われる言葉ですが、ここで言うリテラシーとは「文章を読む上での基礎的な教養」のようなものだと考えてください。

例えば、論説文では「近代と前近代」「科学と倫理」「日本人論」「西洋と東洋」「身体論」「メディアと情報」「哲学」「芸術論」「グローバリズム」「言語論」など様々なテーマが扱われます。これらの論題については様々な角度から論じられていますが、ある程度これらについての基礎的な教養を身につけていないと、何回読んでもうまく論旨がつかめないまま煮詰まってしまうかも知れません。普段から新書などを読んでいる人でもないと、(学校の授業で扱う文章だけで)これらについての基礎的な教養を身につけるのはなかなか難しいと思います。

 

 

では、どうすればいいのか、というところで3つ目の「演習量をこなすこと」が生きてきます。

現代文のテキスト、問題集にある良質な問題を、どんどんこなしていくこと、これに尽きます。1番目に挙げた語彙力の強化と並行しながら、多くの問題にあたることで様々なテーマの文章に触れれば、自ずと論説文のパターンのようなものが見えてきます。

ただ、これには必ず「正しいガイド」が必要なのですが、これについて詳しく説明する前に、一旦最後の「解き方を知ること」について見ておきます。

 

 

1〜3である程度文章を読解できるようになっても、問題を解いて正解できなければ意味がありません。

現代文の設問には「傍線部の意味を説明せよ」「傍線部と同じ意味を表している箇所を抜き出せ」「空所に入る接続詞を選び記号で答えよ」「本文の内容に合うものを選び記号で答えよ」「”これ”が指しているものは何か文章中の語句を使って説明せよ」などいくつかの決まったパターンがあります。みなさんも今まで何度も目にしていますよね。こうした設問ごとに本文をじっくり読み返しているうちに時間もなくなり、挙句適当に雰囲気で答えてしっかり間違える、という経験をしてきた人も多いのではないでしょうか。それはひとえに、解き方を知らないことが原因です。

解き方とはテクニックというよりは、「どこに着眼するか」です。

例えば、「傍線部の内容と合致するものを選べ」という設問で間違えている人は「本文中には書かれているけどよく読んだら傍線部そのものとは関係ない選択肢を選んでいる」場合が少なくありません。選択肢で迷ったら、その傍線部とイコールになっているかどうか確かめる、という着眼点を持つことが大切です。これも「解き方」のひとつです。

 

 

以上に見てきた4つのポイントは、段階的にではなく、すべて同時並行で進めるべきものです。

語彙力を強化しながら、どんどん問題を解いて多くの論説文に触れ、文章を読む上でのリテラシーを高めていく。同時に、解き方を確認しながら着眼点、考え方を鍛える。それらを繰り返すことで、国語ができるようになるのです。

 


さて、ここからが営業トークになってしまうのですが、これ、独学ではなかなか難しいんです。
特に、2のリテラシーを高めることと、4の解き方を知ることに関しては、プロのアドバイスなしで対策するのはよほど理解力の高い天才肌の人でないと困難です(そもそもそんな人は「国語ができるようになりたい」なんて悩んでませんね…)。

2と4をスルーしたまま3の演習量をこなすことだけ頑張っても、見当違いのところをぐるぐる回り続けるだけになってしまいます。

 

快楓館では、毎回の授業で1〜4の対策をみっちり実施します。

まずは語彙力の強化。例えば「絶対と相対」について、例え話や用例を挙げながらわかりやすく解説し、「自分のものとして」概念を身につけてもらいます。

それから問題演習。まずは自力で解いてもらって、それから解答・解説を進めます。

設問のチェックをしたあと、その文章で扱われているテーマについて、その背景知識や、同様のテーマでよく語られていることなどについて詳しく解説します。毎回の授業でのこの積み重ねが、読解のためのリテラシーの土台となっていきます。

各設問について「解き方」、つまりどこに着眼するかをチェックし、解説します。どれだけ正解できていたかより、どう考えてそういう答えになるのか、なぜほかの答えでは間違っているのか、を授業では大切にします。

こうした流れで毎週授業をすることで、どんな難関大学にも対応できる国語力を身につけることができます。

この授業と、定期的に渡す課題をしてもらう以外に、現代文に関しては何もしなくても大丈夫です。

 

長々と説明して最後は宣伝になってしまいましたが、「国語ができるようになりたい」と思っているみなさんは、快楓館までお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。