「なぜ学ぶのか」という問いに対する答えは、人によって様々です。「良い大学に入るため」「夢を叶えるため」「資格を得るため」「褒めてもらうため」「学ぶことが楽しいから」…。もちろん、どれもそれぞれの人にとっては正解です。
では、この問いに快楓館はどう答えるのか。
もちろん答えはただひとつではないのですが、その答えのリストの中からまず選ぶとすれば、「明日のより良い社会をつくるため」を快楓館は選びたいと思います。
学ぶことが、単なる功利的な自己実現で終わるべきではない、と快楓館は考えています。というのも、今こうして生きている我々の文明は、先人たちの学びの集積の上に成り立っていて、それを引き継ぎより良いものにして繋いでいくことに人類の存在意義がある、と思うからです。人類がこれまで積み上げてきた叡智を手にして、欠陥を修正し、新しいものを生み出すことで、より良い社会の建設に使ってほしい。そして学ぶことは力になります。その力をより力のないもののために使ってほしい。
そんな願いをこめて、快楓館は「明日のより良い社会をつくる知性を涵養(かんよう)する」という精神を掲げています。
「快楓館」という名前は、幕末に新島襄が航海訓練をした備中松山藩の帆船「快風丸」に由来しています。安中藩士の子であった新島は、封建的で窮屈な江戸の藩邸での暮らしから抜け出したいと考えていました。折しも幕末、幕政の旧態依然とした社会に欧米列強の登場が大きなショックを与えます。幕府や各藩は対応を迫られる中、安中藩と親戚藩であった備中松山藩がアメリカから帆船「快風丸」を購入し、新島はこの船に乗ることになったのです。新島はこの船での航海で新しい世界にふれて覚醒し、のちに国禁を犯してアメリカに渡り、日本人として初めて大学で学位を受けることになります。
快楓館は、新島にとっての快風丸がそうであったように、生徒が新しい世界を知り、視野を広げるきっかけとなるような場所にしたい、という願いを込めて名づけました。「風」の字が「楓」になっているのは、私が留学し世界観を変えてくれた場所であるカナダのシンボル=楓を採用しているためです。快楓館のシンボルマークも楓です。
快楓館のロゴデザインは、くるりや曽我部恵一のCDジャケットも手がけ、現在は京都でセレクト古書店・デザイン事務所「世界文庫」を主催する古賀鈴鳴氏によるものです。
「漢字のイメージから、風に吹かれてたり、『路を進んでいく』イメージでデザインに落とし込みました。『心地よく進んで行く場所』というコンセプトです。(古賀)」
橋本 和弥
1986年生まれ。同志社大学文学部卒業。
大学在学中から大阪の編集プロダクションで旅行雑誌の編集に携わる。
2012年に編集者を辞めカナダに留学。
帰国後は神戸市垂水区の学習塾で大学受験の英語・国語を中心に指導。
6年間講師を務めたのち、2019年に独立し学習塾 快楓館を開塾。
趣味は旅行 (47都道府県制覇、アメリカ横断経験あり)、写真、食べること。